画面の上にカーソルを乗せると両脇に矢印が出ますので、 矢印をクリックしてご覧下さい やまおく村にすむおじいさんとおばあさんのところに まごがうまれたというしらせが、とどきました。 「 なまえは、タロポ。 おとこのこだそうですよ。」 「おお、うれしいのう。  おいわいに世界一のこいのぼりをおくってやろうよ。」 「ええ、そうしましょう、そうしましょう。」 おじいさんとおばあさんは、何日も何日もかかって こいのぼりをつくって、タロポにおくってやりました。 けれども、タロポたちは町のマンションにすんでいました。 せまいベランダでは、世界一のこいのぼりはあげられません。 せっかくのこいのぼりは、 おしいれにしまわれたままになってしまいました。 それから何年かたちました。 5月のある日。 タロポは、大きなはこをみつけました。 「なんだろう?あ、こいのぼりだ。 ・・・タロポへ。世界一のこいのぼりってかいてあるぞ! へえ、おじいちゃんたちがくれてたんだ。 パパたち、どうしてかざってくれないんだろう。よーし!」 タロポは、ベランダのてすりに こいのぼりをとりつけてみました。 「でっかいなあ。すごいぞ!」 けれども、こいのぼりは、およぎません。 ぺったんこでぶらさがったままです。 おまけに、よそのおばさんに、しかられてしまいました。 「うちのまどがふさがっちゃったわ。」 「てすりにものをほすのは、きんしです。」 かんりにんのおじさんにもしかられました。 「どこか、ひろいところでおよがせたいなあ。 こいのぼりをあげるばしょをさがしにいこう!」 タロポは、こいのぼりとおやつをせおって、たびにでました。 どんどん歩いて、いつのまにかしらないところにきていました。 お堂のまえに、おじさんがのびています。 おじさんは、タロポをみると、むっくりとおきあがっていいました。 「はらがへってうごかれへん。なんか食うもんあらへんか?」 「かしわもち、食べる?」 おじさんは、かしわもちをむしゃむしゃ食べるといいました。 「ああ、うまかった。わしは、力もちのちからたろうや。 そんな大にもつもってどこへ行くんや?」 「ぼく、世界一のこいのぼりをあげにいくんだ。 ・・・いっしょにくる?」 「よっしゃ、いっしょに行ったろ!」 ちからたろうが、なかまになりました。 タロポと、ちからたろうが歩いていくと むこうからクマにまたがった男の子がやってきました。 クマは、フンフンはなをならしてかしわもちをねだりました。 「やあ、うまそうだな。おれにも1つくれよ。」 男の子は、かしわもちをむしゃむしゃ食べるといいました。 「ああ、うまかった。おれは、金太郎。 おまえたち、どこへ行くんだ?」 「ぼくら、世界一のこいのぼりをあげに行くんだ。」 「そうか。それなら、いいばしょがあるぞ。 かしわもちの礼にあんないしてやろう。」 こうして金太郎もなかまになりました。 タロポと、ちからたろうと、金太郎が歩いていくと 女の子がはなしかけてきました。 「どこへ行くのじゃ?」 「ぼくたち、世界一のこいのぼりをあげに行くところなんだ。」 タロポがいうと女の子は、いいました。 「わらわは、おひめさまじゃ。そちら、たのしそうじゃな。 わらわもつれていくがよい。」 女の子は、タロポがあげたかしわもちを むしゃむしゃ食べながらいいました。 タロポと、ちからたろうと、金太郎と、おひめさまは、 山道にさしかかりました。 ガサガサと竹やぶをわけて、おじいさんが出てきました。 「これこれ、おまえさんたちは、 こいのぼりをあげにいくところとおみうけするが・・・」 「えっ、どうしてわかったの?」 「わしは、竹取のおきな。 カメのこうより年のこう、なんでもお見通しなのじゃ。 う~ん。よいにおいがするのう。 さては、かしわもちをもっておるな。 1つくれたら、よい竹をやろうぞ。 こいのぼりには、さおだけがいるじゃろ?」 竹取のおきなは、かしわもちをむしゃむしゃ食べてしまうと 一本の竹をくれました。 「これをもってゆけ。 世界一のこいのぼりにふさわしい竹じゃぞ。」 みんなは、山をこえ、谷をこえ、 とうとう高い山のてっぺんにつきました。 「さあ、ついた。ここならおもいきりおよげるよ。」 みんなは、さっそくこいのぼりをとりつけました。 そして、竹をじめんにたてると、あら、ふしぎ。 ねっこがはえて、竹はじぶんでたちました。 ながい竹のさきで やぐるまがくるくるまわり、 世界一のこいのぼりが、 かぜをはらんで いきおいよくおよぎはじめました。 「すごいねえ。」 「これ、おじいちゃんとおばあちゃんがつくってくれたんだ。 やまおく村からもみえるといいなあ。 パパや、ママにもみせたいなあ。」 と、タロポがいいました。 すると、おひめさまがにっこりしていいました。 「わらわにまかせよ。みておれ・・・」 おひめさまは、ふところからこづちをとりだしました。 そして、こづちをふりながら 「おおきくなあれ、おおきくなあれ、世界一のたけざおよ、 おおきくなあれ、おおきくなあれ、世界一のこいのぼり。」 と、となえました。 「わあ~」 「おお!」 こいのぼりは、ずんずんずんずん大きくなりました。 そして、山をこえ、雲をこえ・・・・・ とうとうこんなに大きくなりました。 タロポの世界一のすごいこいのぼりは、 とおい、やまおく村からも、ちゃんとみえました。 もちろん、町からもちゃんとみえました。